【地獄の飲みサークル】最愛の彼女が酔わされて、目の前で先輩に……
あらすじ
最愛の彼女と一緒に入学した大学。同じテニスサークルにも入って、楽しみにしていた一泊二日の新歓旅行。ところが夜のバーベキューで、俺も彼女もしこたま酔わされて……(連載中)

 

飲みサークルの新歓旅行・当日の朝

ケイスケ、今日楽しみだね 昨日あんま寝られなかった(^_^;
なんかキンチョー。。ずっと側にいてね♡

 

 朝起きたら最愛の彼女――吉野香奈(よしの・かな)からメッセージが入っていた。

 

大丈夫だよ、先輩たちも優しそうだし、俺もいるし(^_-)

 

 まどろみの中でそんな風に返し、下田圭介は眠い目をこすりながらカーテンを開けた。

 部屋に降り注ぐ新鮮な光のシャワー。

 新しい季節に相応しい清々しい朝だ。

 圭介だって香奈と同じ。楽しみで仕方がなかった。

 

 何が楽しみかって。

 今日は、この春入学した大学の、テニスサークル新歓旅行だった。貸し切りバスで湖畔のキャンプ場へ行き、コテージで一泊。先輩たちと圭介ら新入生合わせて総勢30人ほどの大所帯。

 昼は自己紹介などのオリエンテーションを兼ねたテニス大会で、夜はバーベキュー。

 

 これが楽しくないわけがない。

 

 特に、夕方から始まるバーベキューが最大の楽しみだった。愛しい香奈や先輩たちとワイワイはしゃぎながら、美味い肉食って、お酒も飲んじゃったりして。

 

「頑張ったよ、俺ら。まじで頑張った」

 

 晴れ渡った空に向かって、圭介はしみじみつぶやいた。

 高2から付き合いだした香奈と共に過酷な受験勉強を乗り越えてきたのだ。おかげでそこそこの難関大学に合格することができた。香奈と同じ大学に進学したい一心で、テレビやゲームはもちろんのこと、スマホも手放して、寝ている時以外の全ての時間を犠牲にしてきた。

 

 圭介はまだ、香奈とキスしかしていない。キスの最中、発展途上のおっぱいに手を伸ばしたこともあるが、「まだダメ」とその時は拒否された。

 

「圭介のこと、もちろん好きだよ。だけど、まだ。大学に入ってから。そしたら、シよ。絶対に同じ大学に受かろうね。それまで取っておくから。圭介のために、キレイな体のままでいるから……」

 

 香奈にそんなことを言われ、圭介がより一層発奮したのは言うまでもない。

 

 何となく機を逸してしまい、入学後も未だ香奈とは身体を重ねていないが、圭介的にはそろそろかなと思っている。香奈だってきっと、その時を待っているはずだ。

 

 今日は先輩たちの前でふたりの仲を公表しようか。

 冷やかされて、香奈は大いに照れるだろうが、悪い虫がつかないようにするための対策にもなる。

 旅行から帰った時がベストタイミングかな、という気がする。旅行帰りのその足でホテルへ行こう。はしゃぎ疲れた体を湯船で癒やし、そのままベッドイン。服の上からでも分かる豊かなおっぱいをやっと生で拝むことができる。

 

 その時が迫っている。何なら一緒に風呂に入れたらいいけど、さすがに香奈は恥ずかしがるかもしれない。

 ムフフな想像をして、圭介は下半身を隆起させながら着替えを始めた。

 

 悪夢が――。

 

 地獄のような悪夢の時間が圭介と香奈に迫っていることなど、この時の浮かれた圭介は想像することもできなかった……。

 

頼りになる里中先輩

 バスの中でも簡単な自己紹介は済ませたが、現地に到着して昼食をとった後のテニスコートで、改めてちゃんとした自己紹介をした。

 自己紹介は部長の里中先輩の仕切りで、とどこおりなく進んだ。

 

 頼れる先輩だな、と思った。

 

 明るくて爽やかな笑顔。清潔感あふれるベリーショートの髪。低く落ち着いた声。厚い胸板。広い背中。引き締まった体つきであることは、ジャージの上からでもうかがえた。

 

 里中先輩は6名いる新入生の名前もしっかり覚えてくれていた。もちろん圭介のことも。

「続いては下田圭介君」と呼ばれた時はドキリとした。自己紹介中、ところどころで入れてくれた相槌も合いの手も絶妙で、口下手な圭介をさりげなくフォローしてくれた。

 

 男でもつい、引き込まれてしまいそうなほど魅力的な人。数ヶ月前まで高校生だった圭介にとって、親や先生以外で初めてちゃんと接する大人。

 

「圭介、ありがとう。元気があってとっても良かった。でも、肝心なことを言い忘れてたな」

「え?」

「彼女がいるかどうかだ。大学生なんだから最優先事項だろ」

 

 朗らかな笑いが起こり、みんなから好奇の視線が注がれるのが分かった。圭介は香奈を見た。目が合うと香奈は恥ずかしそうにふるふると小さく首を振った。

 

 それで思わず「あ、募集中です」などと答えてしまったのだが、香奈がホッとした顔をしたのでムッとした。

 

 それで芽生えたちょっとした復讐心。まあいい。バーベキューの時にみんなの前でテロ的に公表してやる。恥ずかしがり屋の香奈は顔を真っ赤にして慌てるだろうが、恋愛にはそんなサプライズも必要だ。

 

 ひとりニヤつく圭介を里中先輩が冷やかしてくる。「おいおい、昼間っから何考えてんだよ。エロい奴だな」

 

「ち、違いますよ!」圭介は焦ってかぶりを振った。

「違わないだろ。言っとくけどうちのサークルは恋愛禁止だからな」

「そ、そうなんすか!?」

「嘘に決まってんだろ。恋に勉強に遊びにスポーツ。少年よ、大いに励め。くれぐれも貴重な大学生活を無駄にするなよ。それが我がサークルのモットーだ」

 

 もちろんセックスもな、と里中先輩は、続けて圭介に耳打ちした。「いいな、と思う女がいたら言え。俺はお前のことが気に入った。仲を取り持ってやる。うまくすれば今夜、デキるかもしれねぇぞ」