夜這い・進撃

 それでも逃げたり、抵抗したりはしなかった。猛獣に狙われたか弱い小動物のようにすくみ上がっている。

 美里さんの選択肢は限られていた。俊夫を払いのけるか、息子と離婚するか。

「震えてかわいそうに……」

 本心で思った。俊夫は美里さんの肩にそっと左手を乗せた。肩がビクリと跳ね、小さくなっていた体を一層丸めた。

 

「お願いです、どうか、それ以上は……」 

 美里さんは離婚を選べない。そんなことは最初から分かっていた。

 

 この時ばかりはバカ息子に感謝した。

 仕事中毒のつまらない男だが、トップレベルの大学を出て、日本有数のIT企業で働いている。給料は30までに一千万を越えるかもしれない。

 日本の明るくはなさそうな未来を考えれば、簡単に手放すことのできない伴侶である。

 

 俊夫は美里さんの背中に自らの体を密着させ、腕を回して抱きかかえるようにした。温かくて気持ちのいい背中である。10年前に妻を失って以来、久しく体感したことのない感触。

「心配しなくてもいい。息子には黙っといてやるからな」 

 彼女の耳元でささやいた。ひっ、とかすかな声を漏らし、首をすくめた彼女の髪をかきわけ、細い首を露わにさせた。

 

 うなじ。うなじ。なんて……愛らしい……。

 親指の腹でなでた。柔らかかった。そこに口をつけた。

「んっ……」

 思わず、という感じでこぼれた彼女の声。気がつけば、俊夫の下半身には熱い血潮がどくどく流れ込んでいた。直接触らなくても分かる。自分でも驚くほど固い。

 

 これで!

 この熱い血潮で!

 美里さんを突き通したい!

 

 俊夫は下半身を美里さんの背中、というより腰のあたりに押しつけた。

「いやっ!」

 小さな悲鳴を上げた美里さんの口を手の平で軽くふさぐ。唇の感触。温かい吐息。血潮がますます流れ込んでいくばかりである。

 

 口から離した手を、今度は徐々に下にずらしていく。彼女は腕を組むようにして胸をガードした。仕方がないので、目の前にある耳たぶを口に含んだ。

「はんっ、んん……」

 そのまま耳の穴に舌先を侵入させ、ぬらぬらと動かす。

「ひぃっ!」 

 産毛の感触に興奮した。舌が勝手に動く。穴だけでなく、耳全体をでたらめに舐め回した。

 くちゅくちゅ、くちゃ、といやらしい音を立てながら。

 

「いや、いやです!」

 

 美里さんが首を振った拍子に胸のガードが緩んだ。

 俊夫はついに!

 あの若い男に揉まれていた胸をついに!

 

 ニットのすぐ下が乳房だった。ブラジャーをしていると思ったのにそうではなかった。だから、ふいの柔らかさに心がとろけた。ニットの上からでもすぐに乳首の場所が分かった。

 2度、3度と乳房をソフトに揉んでから、グミのような突起をつまんだ。彼女の全身がビクリと跳ねた。 

 

 乳首を挟み、転がし、こねくり回す。

 そのたびに美里さんは、

「んっ、あっ、だ……めっ!」

 甘く、くぐもった声を出す。

 彼女の突起はずいぶん固い。

 生で触りたくなる。

 

夜這い・加速

 俊夫はニットを乱暴にたくし上げた。

「いやぁっ!」

「大丈夫だから、大丈夫だから。心配しなくていいから」

 なだめながら、乳房をつかんだ。温かい。そして、異様に柔らかい。

 

 女のおっぱいは、20中盤頃からどんどん柔らかくなっていく。風俗やおっぱいパブで20前の女の乳房を何度かたしなんだことがあるが、あれはだめだ。張りがありすぎる。触り心地はイマイチだ。反発をされているみたいで好きじゃない。

 だが、美里さんの乳房は俊夫の手の動きに合わせて自由に形を変える。天にも昇る触り心地だった。

 

 揉んだ。何度も揉んだ。強くつかんだり、柔かく包み込んだりしながら左右のふくらみを、乳首の固さを、堪能した。

「んっ、く……」

 我慢しても漏れ出る声が、一番男の欲情をかり立てる。そのことを女は、分かっているのだろうか。

 

 このままいつまでも揉んでいられたが、右腕を下にしているせいで、しびれてきた。それに乳房を口に含みたかった。

「美里さん、乳首が立ってるな。気持ちいいか?」

「ち、違いますっ! これは――」

 

 言い終わるか終わらないか、というタイミングで俊夫は、ぐっと美里さんの肩を引き寄せ、仰向けにさせた。

「いゃぁっ!」

 そしてすぐさま馬乗りになった。この段になると暗がりにずいぶん目が慣れていた。目の前で波打つふくらみが2つ。それぞれに備わった乳首は存在を主張するように、ツンと天を向いていた。

「お願いです、もう、許して……ください……」

「許す?」

 

 違う。これは許すとか許さないの問題ではない。急に怒りが込み上げてきた。こんなに美里さんを求めているのに、そんな言葉を使って欲しくなかった。

 

「美里さんは、バカ息子を愛してるのか?」

「もちろんです……」

「だったたどうして! あの若い男とキスなんてしたんだ!」

 叫ぶなり、俊夫は美里さんの乳房を両手で思いっきりつかみ、そしてむしゃぶりついた。

「だめぇっ!」

 

 向かって右側の乳首を舌先で転がした。少し汗の味がした。歯を当てたら、

「はぁんっ!」

 美里さんの体がはじけた。そのまま吸い上げた。

「あっ、いやっ! お願いっ!」

 もう片方の乳房を、左手で闇雲に揉みしだき、人差し指で乳首を転がして、そしてはじいた。

「んあっ、お義父さんっっ!」

 

 俺を受け入れろ。俊夫は思った。

 そろそろ受け入れて、ふたりで長い夜を楽しもう。そんな思いを込めて、両の乳房を責め続けた。たわんだり、ゆがんだり、指の隙間からこぼれたり、無秩序に形を変える様子を見ている至福。

 

 しかし、どんなに乳房が魅力的であっても、男にとってそこが最終目的地点になることはない。俊夫は、ある程度ふくらみを堪能した後、右手を美里さんの下半身へと滑らせた。

後編へ続く