ボックス席で筆おろし・ついに挿入

 律子さんは服を着たまま、下着だけをおろし、俺の上に乗っかってきた。そして女の入口をイチモツにあてがった。

「ケンちゃん、分かる? こんなに濡れとるやろ……」

「うん、分かるよ」

「嬉しいけん。まだ私、女なんだって。ケンちゃんのおかげで、そう思える」

「律子さん、キレイだ」

「もっともっと、若くてみずみずしい時に味わってもらいたかった」

「キレイだよ。今でも全然、色っぽくて、俺にはもったいない」

「ケンちゃん……」

 律子さんは少し涙ぐんだようだった。15年の間に色々あったんだろうな、と思った。

「好きって言ってくれる?」

「好きだよ、大好きだよ。律子さん」

「あつかましくてごめんね……」

 そう言って律子さんは俺の首にしがみつき、腰を徐々に落としてきた。

 

 ぐにゅ。

 先っぽが半分埋まる。

 ずっ、ぬちゅ。

 エラのところまで包まれる。圧迫される。

 

「うぐっ……」

 ガマンしなくては。童貞だってバレたくない。カッコ悪い。

 

 ずっ、ずしゅ。

 律子さんの湿った肉は、うごめきながら俺を飲み込んでいく。

 そして最後は一気に――。

 

 ずりゅ!

 

 ついに根元まで埋まり、俺より先に律子さんがはじけ、体をのけぞらせた。

「アァっ!」

 彼女の切ない嬌声が耳にからみつく。俺はのけぞる律子さんの体を強く抱き寄せた。すぐに達しないように、彼女の動きを少しでもコントロールしようと思ったのだ。

「んっ、あっ、ケンちゃんっ!」

 それでも律子さんの動きは激しかった。俺の上で容赦なく上下にバウンドする。

 

 ぬちゃぬちゃ、ぬぷ。

 

 接合部分が粘り気のある音を立てる。こんなにイヤラシ音を聞いたことがない。

 これが女体か! 

 これがセックスか!

「あんっ、あっ、もっと! アァッ!」

 律子さんのキレイな顔がゆがむ。苦悶の表情を浮かべる。のけぞった首が異様に白かった。

 俺はその首に口を押しつけ、甘噛みよりは少し強めに噛みついた。

「はぁんっ、ケンちゃん!」

 

 律子さんの背中から、尻に手を移動させた。わしづかみにして広げた。もっと深く埋まった。

「あぁっ! やんっ!」

 ビクビクと波打つ彼女の体。それが膣を通して俺のイチモツに伝わってくる。こんな気持ちいいことを知らずに俺は30年以上も過ごしてきたのか!

 

 思いっきり腰を突き上げた。

「ひぃぃっ!」

 律子さんはひときわ大きくのけぞった。ぎゅっ、と膣が締まった。

「あっ、うあぁ!」思わず大きな声が出た。「だめだ! 俺、イク!」

「ええよ、出して! いっぱいいっぱいちょうだい! ケンちゃんをいっぱい! ああっ」

 

 律子さんの動きが加速した。

 イチモツがトロトロの膣に勢いよくこすられる。グリグリと押しつぶされるようなイチモツの感触。

 意地もここまでだった。さすがにもう――。

 

「うわぁぁっ! イクぅぅっ!」

 最後に思いっきりねじ込むと、著しい快感の予兆が下腹部で生まれ、あっという間に爆ぜた。

 

 どくどくどく。 

 熱すぎる飛沫が彼女の中に飛び散っていく。奥の奥まで達するために、勢いよく。

 

「もっとよ、もっと!」

 律子さんの膣は最後の最後まで貪欲にうごめき、俺の飛沫をからめ取っていった――。

 

田舎電車での筆おろしを終えて

 田舎電車は海沿いをゆっくり走る。

 筆おろしを終えた俺は、ボックス席でぐったりしながら、隣に律子さんがいる幸せを噛みしめていた。

 

「俺、実は童貞だったんだ」

 正直に打ち明けたけたが、律子さんが信じたのかどうかは、分からなかった。

「私のために取っておいてくれたんじゃろ?」

「うん。初めては律子さんと。あの夏から俺、そう決めてたから」

「嬉しいこと言ってくれるねぇ」

 彼女はまた、涙ぐんだようだった。

「困っちゃうよね。この年になると涙もろくて……」

 

 俺は律子さんの肩を抱き寄せて、

「こっちに引っ越してきちゃおうかな」

 軽い口調で言ってみた。

「ええねぇ。そしたら毎日楽しい」

 何かあったのか、とはやはり聞いてこなかった。いきなり訪れてきた中年男に事情があることくらい彼女は分かっているのだろう。

 

「ホントにいいかな」

「もちろん。毎日ご馳走作ってあげるよ」

 アリだな、と俺は思い始めていた。

 仕事なんてどうにでもなるだろう。

 何ならインターネットでも仕事を拾える時代だ。ガマンする必要なんてない。もう朝のラッシュには乗りたくない。

 

 たとえ貧乏でも、愛があふれるささやかな暮らしを律子さんと営んでいけるなら、そんなに幸せなことはない。

 そう思った。

 あの夏の続きはまだ始まったばかりだ、と強く思った。

 田舎電車が減速を始めた。 

 車内アナウンスが次の駅への到着が間もなくであることを告げた。(おわり)